特集1

2024.10

時には骨の話を

糖尿病の隠れた合併症

 

いつもの糖尿病外来。振り返ってみると、覚えているのはヘモグロビンA1cが上がって残念な気持ちになったことばかり…。そんな外来で、これまでに主治医やスタッフから「骨」の話を聞いたことはあったでしょうか。

 

さまざまな診療ガイドラインでも、骨粗しょう症が糖尿病の併存疾患として取り上げられるなど、糖尿病と骨(骨折)の関係については、以前から繰り返し注意喚起されています。

 

しかし、認知機能低下や認知症、悪性腫瘍、歯周病と比べると、このことは医療者の間でさえ浸透していないかもしれません。多くの方は骨には特に注意してこなかったのではないかと思います。

 

 

糖尿病と骨の関係❶

 

転びやすくなる

 

そもそも糖尿病とはどういう病気でしょうか。専門的には「インスリン作用の不足に基づく慢性の高血糖状態を主徴とする代謝症候群」と定義されます。

 

「インスリン」は、血糖

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