季節の変わり目に多いめまいのお話

特集２

2025.05

めまいは、季節の変わり目に多い症状の一つです。糖尿病があると、めまいが反復して難治性になりやすいことが知られています。岡本昌之先生に解説していただきました。

岡本昌之

おかもとまさゆき

福井大学医学部附属病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講師、病棟医長

この記事の内容

めまいとは

めまいとは、「自分ないしは周囲のものが、運動していないのに運動していると感ずる感覚、ないしは異常感覚」と定義されています。ぐるぐる回るめまいやふらふらするめまいの他に、血の気が引いて目の前が暗くなるような感じや、ふらついてうまく歩けないようなものもめまいに含まれます。病的ではなくても、疲れたときにふらっとする感覚や立ちくらみ、乗り物酔い、ＶＲ（バーチャルリアリティー）酔いなどもめまいといってよいでしょう。そのため、めまいを感じたことがない人は恐らくいないのではないでしょうか。

めまいは前触れなく急に発症することが多く、吐気や嘔吐（おうと）を伴ったり、冷や汗をかいたり、血圧が上がったりすることもあり、初めてめまいを発症した人にはとてもつらい症状で、恐ろしさや不安を強く感じてしまうものです。また、めまいは頻度の高い症状で、厚生労働省「2022年国民生活基礎調査の概況」によると、わが国においてめまいを引き起こす病気に悩まされている人は、250万人以上とされています。