特集2

2025.06

尿を探る

はじめに

 

尿検査の歴史は、紀元前にさかのぼります。ギリシャの医聖であるヒポクラテスは、疾病の有無を確かめるには、尿を肉眼で観察することと述べており、これが「尿検査」の始まりと認識されています。

 

現在、国内での尿検査は、健康診断として幼児から実施されています。最も身近な検査になっていますので、健康な方でも数十回は経験したことがあると思います。しかしながら、尿検査から正確な結果を得るためには、尿の採取から重要なポイントがあることをご存じでしょうか。

 

本稿で「尿のすべて」を学び、尿検査をより理解して「尿検査マスター」になっていただきたいと思います。

 

 

尿の生成と排せつ

 

尿は、一側の腎臓に約100万個もあるネフロンで生成されます。ネフロンとは腎臓の基本単位であり、腎小体と尿細管から成ります。腎小体は糸球

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