特集2

2025.08

アドバンス・ケア・プランニング(ACP:人生会議)──自分らしく生きる──

「アドバンス・ケア・プランニング」とは?

 

近年、アドバンス・ケア・プランニング(Advance Care Planning:ACP)という取り組みが注目されています。「人生会議」という言葉で耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。ACPとは、「もしものときに、自分がどのような医療やケアを望むのかを前もって考え、家族や信頼する人、医療・介護従事者と繰り返し話し合い、共有すること」です。誰にでも、必ず「死」が訪れます。そのときまで、その人が生きてきた人生における価値や希望を大切にして、支えていこうという考え方に基づいています。

 

死を迎える原因の多くは病気ですが、終末期には本人に意識がない、または意思決定できない状態にあることが少なくありません。そうした際に、例えば人工呼吸器の装着など延命治療を行うかどうかの判断は非常に難しいことで、家族など近しい人たちは、その判断を前に大きな苦悩を抱えることになります。だからこそ、自分らしく人生を全うするために、また本人の望みに沿った人生の終わりを周囲が支えるために、元気なうちから「人生の最終段階」を見据え、自分が望む医療

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