特集1

2025.10

最新の透析事情と「自分らしい選択」のために知っておくべきこと

はじめに

 

わが国では高齢化を背景に慢性腎臓病(CKD)が増加しています。末期腎不全に至ると老廃物や水分を十分に排出できなくなるため、腎臓のはたらきを代替する腎代替療法が必要です。昨今、腎代替療法における医療の質は向上しており、選択肢は多様化しています。

 

本稿では、糖尿病のある方にこそ知っていただきたい透析の最新事情を取り上げるとともに、近年注目されている二つのCKMの概念「CKM(心血管腎代謝)症候群」および「保存的腎代替療法(CKM:Conservative Kidney Managemen)」を解説し、さらに当院における透析導入までの流れも併せて紹介します。

 

 

新たな疾患概念「CKM症候群」

 

日本透析医学会の2023年の統計調査によると、わが国の透析導入患者さんの有病率は21年まで増加傾向でしたが、その後2年連続で減少に転じ、23年は人口100万人当たり2762人となっています。透析導入患者さんの平均年齢は年々上昇しており、71.6歳と7

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