特集1

2025.10

糖尿病のある人が利用できる社会資源-社会資源を有効活用するために-

糖尿病と社会資源の活用

 

糖尿病(ダイアベティス)は年齢を問わず発症する可能性があり、生涯にわたり医療機関への受診や自己管理が求められる慢性疾患です。その罹病(りかん)期間の長さ故に、患者さんは病気の変化と同時に人生のさまざまな変化も経験します。

 

合併症の発症や悪化、糖尿病以外の病気の併発、加齢による身体機能の低下、定年退職や収入の変化、家族構成の変化、大切な人との離別など、その変化は多種多様です。このような変化は、糖尿病の治療の継続や自己管理の良否・質にも影響を及ぼします。特によくない影響を与える変化には注意が必要です。

 

例えば、経済的な理由によって治療が中断されてしまったり、治療を支えてくれる人や環境が不足しているために血糖管理がうまくいかなかったり、高齢による体調不良を「仕方がない」と我慢してしまったりすることなどが挙げられます。

 

とても重要な問題ですが、こうした問題は見逃されがちです。なぜなら、糖尿病は他の疾患と比べて進行が緩やかで治療が長期間にわたるため、病気としての認識が薄れやすくなる傾向に

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