特集1

2026.02

血糖管理における季節変動の重要性

はじめに

 

 

「冬になると、血糖管理が難しくなる」「ヘモグロビンA1cが高くなる」と感じたことのある方は多いのではないでしょうか。実は、血糖値やヘモグロビンA1cが冬に悪化しやすい、いわゆる「季節変動がある」ことは、医療者の間ではかなり前から知られていました。実際、多数の糖尿病のある方のヘモグロビンA1cを集めて解析し、その季節変動を示した報告は1980年代から見られます。

 

一方で、「自分はヘモグロビンA1cの季節変動はない」「血糖管理は冬よりも夏の方が難しい」という方もいるでしょう。また、「季節ではなく、体調が優れない時期が続くとヘモグロビンA1cが高くなる」という方もいると思います。

 

われわれは、ヘモグロビンA1cの季節変動に注目して、糖尿病のある多くの方を対象に、簡単な統計解析だけではなく、個人ごとの季節変動の違いについても検討を行い、2010年にその結果を発表しました。本稿では、まずそのデータを紹介し、国内外の同様の報告結果と比較します。次に、血糖値やヘモグロビンA1cに季節変動が生じる背景とメカニズムについて考えたいと思います。

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