連載

2024.07

【第11回】1型糖尿病と共に生きる僕

トレーニング

 

僕が1型糖尿病だと分かった時に、医師から「ご実家はどちらですか?」と質問されました。「母は鳥取県の大山の麓でペンションを営んでいます」と答えると、「そういう自然の中でゆっくり暮らすのもいいと思いますよ」とアドバイスをくれました。僕のことを心配してくれているのだなぁと受け止めたのですが、当時の僕はまだ36歳。体はガリガリに痩せていましたが、目はバチバチに力がありました! 「こんな体でもなんとかしてやる!」と、病院の中を歩き回ったり、階段の上り下りをしたりして、入院生活でもトレーニングを忘れなかった記憶があります。

 

毎日、細かく血糖管理を行っていますが、これは体を適切に保っていないと十分なライブパフォーマンスができないからです。体形維持のためのトレーニングだけではなく、声が衰えないようにボイストレーニングも心掛けています。さすがにお金を頂いて歌っている以上、プロの歌手として「普通」は当たり前ですから、自分にはその上のトレーニングを課していかなくてはいけません。

 

しかし、トレーニングをしすぎると低血糖を招いてしまいます。このあたりは僕のような歌手よりも、スポーツ選手などのアスリートの方が大変だと思いますね。幸いにも僕は低血糖で病院に運ばれたことは1度もありません。これは僕が自分の体のパターンを知っているからです。何と

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