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2024.07

【第55回】日本全国の散歩道

石川県・金沢市の にし茶屋街から犀川のほとりを巡る

石川県金沢市には代表的な大きな河川が二つ流れています。金沢城跡の両脇を平行するように流れる犀川と浅野川です。地元では、雄々しい流れの犀川は「男川」、優しい流れの浅野川は「女川」の愛称で親しまれています。金沢には観光名所が多数ありますが、今回はせせらぎを聞きながら犀川のほとりをゆったりと歩く散歩道をご紹介します。

 

▽スタートはにし茶屋街(❶)です。1820(文政3)年に誕生したといわれており、今でも三弦や笛の音が聞こえる風情ある茶屋街です。ここから野町広小路の交差点に向かい、寺町通りに。少し先にある右手の路地を入って妙立寺(❷)を目指します。妙立寺は、床や壁に巧妙な仕掛けが施されており、通称、忍者寺と呼ばれています。その工夫の凝らし方は素晴らしく、感動します(拝観は要予約)。ちなみに、今回のコースからは外れますが、野町広小路の交差点から犀川大橋方面に進むと、桜橋まで川沿いに続く「犀星のみち」(❸)があります。金沢三文豪の一人である室生犀星が生前に好んで歩いた並木道で、春には桜並木となり、毎年多くの人がお花見を楽しんでいます。

 

▽コースに戻りましょう。妙立寺から再び寺町通りに。左手に日本を代表する建築家である谷口吉郎氏の住居跡に建てられたミュージアム「谷口吉郎・吉生記念金沢建築館」を、右手に約70の寺院が集まる寺町寺院群を見ながら直進

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