連載

2024.07

【最終回】賢く付き合おう!健康・医療情報

情報には限界がある

本連載では、患者さんや一般市民が、健康や医療に関する情報、特にインターネット上の情報とどう付き合うかについて述べてきました。まとめると、ポイントは二つに絞られます。一つは、信頼できる情報源を活用すること、もう一つは、人の気を引くような情報(!)に接したら、いったん立ち止まって吟味することです。

 

前者の例としては、学会などのホームページ(第8回「情報源としての学会・協会ホームページ」)や診療ガイドライン(第9回「診療ガイドラインは医療の〝手引き〟」)などを紹介しました。後者の例としては、「3た療法(飲んだ、治った、効いた)」は必ずしも正しくないこと(第7回「飲んだ、治った、効いた――「3た論法」の勘違い」)や、数値を比較する方法には「比」と「差」の2通りがあり、受ける印象が異なること(第6回「数値を比較する2通りの方法」)などを取り上げました。

 

情報を吟味するといっても特殊な技が必要なわけではなく、基本は「いつ」「何のために」「書いた人は誰で」「元ネタ(根拠)は何か」を確認し、さらには「違う情報と比べる」こと(第4回「まず確認したい五つのポイント」)です。人工知能(AI)の技術が進み、事実か創作かの区別ができない情報に出会うこともあるでしょう(第1回「『ググる』から『ジピる』へ?~対話型AIの登場」)。そんな場合でもまずはいったん立