連載

2024.08

【第8回】バードウォッチングだより

千鳥足のシロチドリ

今回は、留鳥(1年を通して同じ地域にすむ鳥)で、河口、砂浜、干潟などに生息するシロチドリをご紹介します。「チドリ」というと千鳥足が思い浮かびますね。酒に酔った人がふらふら歩くのが千鳥足ですが、これはチドリが砂浜でえさを探してあちらへ、こちらへとジグザグに動く動作からきているようです。

 

上の写真は、巣立って間もないシロチドリのひなです。シロチドリの巣は砂浜に小石を少し敷き詰めたような簡単なもので、そこに卵を3個産みます。卵の模様も一役買い、砂浜では周りの風景に溶け込んで、卵に気付きません。ふ化後はすぐに歩き、えさも自分で捕るため親鳥から給餌を受けることはないようです。

 

しかし、巣立ったばかりのひなの周りには必ず親鳥がいて、しばらく見守っています。巣作りのときや巣立ったばかりのひなに人や犬など近づくものがあると、親鳥はけがをしたように両翼や尾羽を広げてバタバタと大袈裟に振る舞い、自分に注意を引いて巣やひなから離そうとします。これを擬傷行動(下写真)といいます。この様子を見たら、親鳥の方へ行ってあげてください。巣やひなから離れて安全だと思えば、親鳥は何事もなかったかのように飛んでいきます。

 

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