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2024.09

【第9回】バードウォッチングだより

水面下の獲物を狙うオオアジサシ

今回は、チドリ目カモメ科に属する鳥類で、その名の通り大きな体を持つオオアジサシをご紹介します。全長は約43~53㎝に達し、翼開張は125~130㎝にもなります。海鳥で小笠原群島、尖閣諸島で繁殖し、南西諸島では比較的夏季に観察できますが、その他の地域で見るのは稀(まれ)とされています。

成鳥の夏羽は頭上から後頸が黒く、後頭にボサボサした冠羽があります。背から翼上面は暗青灰色で、額、腮(さい、喉の辺り)以下の体下面は白色です。大きな黄色いくちばしも目立ちます。大きくてなかなか格好のいい鳥です。

 

最近は9月から10月ごろに伊勢湾の海岸線にやって来るようになりました。見に行ってみると、数十羽の団体で集まり、時々、飛び立ってはまた舞い降りて、水浴びしたり、餌取りをしたりしていました。食性は動物食で、飛翔しながら獲物を探し急降下して海へドボン。水面下の魚類やタコなどの軟体動物も捕食します(下写真)。

 

海上を飛ぶ姿を見ることが多いですが、海面に立てられた棒杭など、岸から離れた場所にある人工物に止まって休息している姿を見ることも多いです。

 

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