連載

2024.09

【第1回】カフェから見える風景

IDDM Caffeをご存じですか?

はじめまして。今月号からわたしとみんなの居場所のIDDM Caffeで起こったことや感じたことをポツリポツリとつづっていくこととなりました。

 

わたしは現在、神戸で“IDDM Caffe”というカフェを経営しています。IDDMとは1型糖尿病を意味し、わたしは2019年に1型糖尿病を発症して5年目です。インスリンの自己分泌は全くない枯渇です。人生とは思いがけないことの繰り返しです。こうして執筆をすることも思いがけないことの一つ。そんな人生を楽しみつつ、カフェに流れる風を感じられるような言葉を伝えられたら素敵だなと思っています。

 

今回はここに訪れる方たちがどのような方たちなのか、簡単に紹介したいと思います。カフェのコンセプトは「インスリンの打ちやすいお店」であり、訪れる方の多くはインスリン使用者です。病名はさまざまですが、枯渇、またはそれに準ずる自己分泌の少ない方が主に集まります。皆さんは近所に住んでいるわけではなく、全国からいらっしゃるのも当店の特徴だと思います。北海道から2回以上も来店された方が2人、沖縄からも来店5回目の方の予約が入っていますし、四国の方も定期的に来てくれています。当店に来るために通訳の方と一緒に来られた外国の方もいました。カフェのもう一つの特徴として、どの患者会にも属したことのない方が来店していることがあります。

関連記事