連載

2024.10

【第5回】ドイツで1型糖尿病になりました

持続測定センサーを着けるということ

退院直前、グルコースを持続測定できるセンサーのFreeStyleリブレʀを腕に着けましたが、実は着けるか着けまいか大きな葛藤がありました。なぜなら、一度着けてしまうと、二度と取れなくなると思ったから。自分が病気である証拠をずっと目の当たりにしてこれから生きるのかと思うと、心底ぞっとしたのです。

 

長時間の持効型溶解インスリンの量が適切かどうか確かめるため、退院したら自宅で絶食して2時間おきに血糖値を測るよう医師に言われました。昼と夜にそれぞれ測るので、夜は夜中に起きて測定しなければなりません。糖尿病カウンセラーは「センサーを試しに着けてもいいし、着けなくてもいい。自分で決めてください」と言いました。同席していたわたしのパートナーは、「センサーを着ければ夜中に起きなくていいから楽だよ」と言い、2型糖尿病の知り合いは「いちいち指を刺すことないし、すごく便利じゃないか、僕も使っているよ」と言いました。

 

わたしは病気になったばかりで、やっとうまく指を刺して血を出すことができるようになったところでした。まだ自分が不治の病だということを受け入れる準備ができていないのに、自分が病気であることを自覚させるものが腕に始終着いているなんて耐えられない。「ちょっと考えたい」と言いましたが、パートナーと友人は「どうしてしないんだ、病気になって冷静な判断がで

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