連載

2024.12

【第5回】いつまでも健口生活

オーラルフレイルについて

「フレイル」という聞き慣れない言葉は、「虚弱」と訳される英語を語源とし、2014年に日本老年医学会が提唱しました。15年の厚生労働省の報告書では、フレイルの定義を「加齢とともに、心身の活力(運動機能や認知機能等)が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり、生活機能が障害され、心身の脆弱(ぜいじゃく)化が出現した状態であるが、一方で適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態像」としています。

 

フレイルとは、健康な状態と日常生活でサポートが必要な介護状態の中間を意味するもので、社会的な関わりまでを含めた心身の状態を見極め、適切な対応によって可逆的に健康な状態に戻る可能性がある状態をいいます。

 

フレイルの前段階とされていたオーラルフレイルは、24年4月に日本老年医学会、日本老年歯科医学会、日本サルコペニア・フレイル学会による3学会合同ステートメントが発表され、「歯の喪失や食べること、話すことに代表されるさまざまな機能の『軽微な衰え』が重複し、口の機能低下の危険性が増加しているが、改善も可能な状態」と定義付けられました。次の五つ(OF−5:Oral frailty 5-item Checklist)をチェック項目として設定し、2項目以上該当

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