連載

2024.12

【最終回】バードウオッチングだより

黒い光沢が美しいビロードキンクロ

ビロードキンクロという名の通りビロードのような光沢があり、黒い羽が特徴的な海ガモをご紹介します。日本では越冬のために南下してくる渡り鳥で、冬鳥として九州以北の沿岸や沖合などに渡来します。千葉県九十九里浜では、繁殖の前に北へ帰る北帰行のときに大群が集結することがあるようです。そのビロードキンクロが伊勢湾沿岸に来ているとのことで、見に行きました。

 

雄は全身が黒く、目の下にある白い三日月斑は、いわゆるナイキマークといわれています(下写真)。目の色は青灰色で嘴(くちばし)は赤黄色、上嘴基部には黒いこぶがあります。雌は全身がやや黒褐色で、目先と耳羽のところに白斑があります。目の色は暗褐色です。潜水して、貝類などをとって食べています。見に行ったときには小集団がおり、数羽の雄が1羽の雌の周りを泳いで、雌にアピールしているようでした。カモ類は北帰行の前にペアを形成するため、雄は自分を選んでもらおうと一生懸命なのです。

 

今回が連載の最後です。拙い文や写真でしたが、少しでも野鳥の魅力を感じていただけたのであれば幸いです。1年間ありがとうございました。

 

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