連載

2025.01

【最終回】いつまでも健口生活

2040年を見据えて

わたしが担当する連載の最終回となりました。今までお目通しいただき、ありがとうございました。最終回は、これまでの内容も踏まえて、今後の歯科保健医療についてお話しさせていただきます。

 

2020年10月、日本歯科医師会は、「2040年を見据えた歯科ビジョン─令和における歯科医療の姿─」を策定しました。これは、今後特に取り組む重点事項を共有し、日本歯科医師会を先頭に歯科界の総力を挙げて取り組んでいくための指標です。

 

20年後の40年に想定される人口の極端な高齢化や人口減少、特に働き手、支え手の減少も含めた課題に対して、現在の医療技術の進歩や高齢化に伴う疾病(しっぺい)構造の変化、急激な少子高齢化による公的医療保険制度の財政逼迫(ひっぱく)など、歯科医療を取り巻く環境の変化や、歯科医療に対する国民のニーズの変化を踏まえています。

 

また、厚生労働省は、24年3月から「新たな地域医療構想等に関する検討会」を開催し、40年に向けた地域医療構想などの協議を進めています。医療資源の適切な配置のための病床機能の分化や病院の連携強化だけではなく、地域で医療・介護の提供を完結するために、在宅医療や外来医療を含めて「治し

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