連載

2025.02

【第6回】海を撮りながら思うこと

毎日が人生最後の日

僕は中学2年生の夏休みに、「血球貪食症候群」(※)という病気になりました。

 

部活の先輩の引退試合を応援しに行った、次の日のことです。首の横が腫れて「おかしいな」と思いつつも、部活の集まりに出席しました。チームメイトと一緒に自動販売機でジュースを買い、適度なインスリンを打ったにもかかわらず、一切ジュースが飲めずに吐き出した時に「あぁ、またかぜを引いたかな」と思いました。僕は感染症由来で体調が崩れると、インスリンの効きが顕著にわるくなる傾向にあります。

 

体調は帰宅後に予想を超えて悪化しました。夜間救急外来へと連れられ、血液検査を受けると肝臓の数値が異常なほどに高くなっていたらしく、即入院。翌日には大学病院へと救急車で搬送されました。展開は急でしたが入院は慣れていましたので、周りの大人たちが異様に焦っている様子を不思議に思いました。

 

人生で一番キツかった検査を受けて告げられた病名が、血球貪食症候群でした。後から、死んでもおかしくない状況だったと聞かされました。容体が悪化したときに備え、医師から母に説明があったそうですが、周囲の心配をよそに1カ月ほどで回復

関連記事