連載

2025.04

【第8回】ドイツで1型糖尿病になりました

リハビリでリフレッシュ (後編)

合併症になるとは限らない

 

リハビリ施設には毎日、何人か新しい人が入り、何人か去っていきます。2型糖尿病のある人はたくさんいましたが、1型は、わたし以外は3人だけでした。そのうち2人は男性で、30歳ぐらいに発病して30年以上経過していました。1人は持続血糖モニタリングをつけていましたが、もう1人は武道をしているのでつけておらず、ヘモグロビンA1cは7〜7.5%ぐらいとのこと。2人とも合併症もなく元気でした。この2人と会えたのは、わたしにとって大きな意味がありました。「糖尿病が悪化すると失明したり手足切断」「10年過ぎると合併症になりやすい」という話ばかり聞きますが、こうして普通に生活していて元気な人がいるんだ! と分かったからです。なんだ、そんなに怖がることはないじゃないか、とほっとしました。わたしは自分の病気で頭がいっぱいだったのですが、その道のベテランに「君は糖尿病のことばかり話すけど、それが人生のすべてではないよ」と言われ、はっとしました。発症半年と30年では貫禄が違います。

 

その人からは、「インスリンを打つ場所は、下腹ではなく、胸の下からおへその高さにかけて上から打つといい」とも教わりました。月曜日に

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