連載

2025.05

【第9回】カフェから見える風景

早く大人にならなくていい

こんにちは。IDDM Caffeです。

 

当店の特徴の一つに、糖尿病、特に1型糖尿病を発症したばかりの方が、情報を求めて来られることが多いということがあります。そのようなお客さまに対しては、気を付けなければならないことがあります。それは、その方が持っている情報量が少ないため、わたしの一語一句を覚えて帰ろうとすることです。慎重に言葉を選ばなければなりません。また、経験を積み重ねると、安全な範囲内で融通を利かせることもできるようになってきますが、発症初期の段階では、まだ主治医が自己調整の許可を出していない場合も多いです。ガチガチに血糖値と向き合っています。そして、思うようにいかず苦しんでいます。しかし、多くの方の経過を見て思うことは、そのような時期が必要だということです。糖質量を0.1グラム単位で計算しては「合わない」と嘆き、「わたしは下手だ」と悲しむ。でも、どこかで限界を知り、緩みとともに自分の中で落としどころを見つけていきます。

 

その中でごく一部、頑張った末にいい値を維持してしまう方がいます。とても喜ばしいことではあるのですが、このようなケースの場合も、ちょっと気を付けなければならないことがあります。それは“数値がいいことが誇り”になってしまうことで

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