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2025.06

【第9回】ドイツで1型糖尿病になりました

充実した糖尿病秋学会

「さあ、炭水化物がどれだけ入っているでしょうか。ネットで検索してもいいですよ」。Jさんが画面にパンケーキ、ポテトフライ、ジャガイモと豚カツの写真を表示すると、参加者約100人はグループで議論し、意見を述べました。

 

これは2024年秋にハノーバーで2日間にわたって開かれた糖尿病秋学会における、若い医療従事者向けワークショップでの一幕です。学会はドイツ糖尿病協会が、毎年各地の持ち回りで開催しており、医療従事者や糖尿病のある人など誰でも参加できます。糖尿病に関する講演や発表、討論会があり、約6000人が参加。製品を紹介する企業も多数参加してにぎわいました。

 

Jさんは11歳で1型糖尿病を発症し、はや22年。12歳からインスリンポンプを使っています。「皆さんは、朝起きて何をしますか?」と問い掛け、「糖尿病のない人は顔を洗って朝ごはんを食べるだろうけれど、わたしはまず血糖値を測る。ポンプを外すのが面倒なので、朝はシャワーをしない。血糖値が爆上がりするから、朝食はすぐにとらない。とりあえず、歯を磨いてコーヒーを飲んで大学に行く。大学で、ぼちぼちパンをかじる」と話しました。カナダに留学した際は、ポンプやインスリンなど、大量の荷物だったとか。

 

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