連載

2025.08

【第12回】カフェから見える風景

「治さないで!」と嘆く子どもたち

こんにちは。IDDM Caffeです。

 

先日、妊娠のことで悩みを抱えた方が来店されました。周りの人が分かってくれない苦しさを、吐き出しに来たのだと思います。来店間もなく、話しながら泣き出しました。彼女を傷つけたのは、配偶者でも配偶者の家族でもなく、自分の家族からの言葉でした。この方のように、依然として周囲の間違った解釈によって傷つけられる方は多く、その苦しみは計り知れません。

 

あるイベントで、IDDMのある成人の方が12人ほど集まりました。たまたま治療放棄の話になり、そのうち3人が治療放棄をしたことがあると語りました。IDDMの体にとって、治療放棄は自死を意味します。幸運にも命をつなぐことができたから笑って話ができたのですが、偶然集まった人たちの4人に1人が治療放棄の経験者であることにショックを受けました。ショックではありましたが、その心理はわたしにも想像ができるものでした。

 

一方で、時代とともに病気の捉え方がわずかに変化しているのを感じます。10代前半の子どもたちの中には、治療法が見つかることに恐怖を感じている子もいます。「病気は自分のアイデンティティであり、完治の方法が見つかったらどうしてく

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