連載

2025.08

【第60回】日本全国の散歩道

桜島を望む景観と 幕末の歴史に触れる町、垂水へ

鹿児島県垂水市は、南九州の大隅半島に位置する美しい町で、鹿児島湾に面しています。特に鹿児島のシンボルの一つである桜島を望む景観が魅力です。

 

この地域は、歴史的にも要所であり、江戸時代には薩摩藩の主要な拠点の一つとされていました。幕末の名君である島津斉彬(なりあきら)の一門に由来する家柄の垂水島津家は、初代忠将(ただまさ)から十六代貴暢(たかみち)まで続き、約260年間垂水を治め、地域の発展に寄与しました。

 

今回は、桜島を望む景観と薩摩藩の歴史に触れる散策ルートを紹介します。

 

▽スタート地点は、海の玄関口である垂水港()です。垂水港を出ると垂水大橋()が見えてきます。橋の上から眺める桜島は雄大で、訪れる人を圧倒します。時々、大きな噴煙を上げる桜島が見え、活火山であることを肌で感じます。

 

▽垂水大橋を渡り右手に進むと、佐多街道(国道220号)越しに鹿児島神社(下宮神社)()が姿を現します。その裏手に

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