連載

2025.11

【第4回】診療看護師が支える糖尿病管理の道しるべ

感じない痛み、足元の落とし穴

背骨のクッションの役割をしている「靭帯」(じんたい)が硬くなって骨のように変化してしまう、後縦靭帯骨化症で悩んでいたAさん。肩の痛みや手足のしびれなどの症状が出て、日常生活に困難が生じていたため、手術を受けることを希望されていました。ですが整形外科医からは、「血糖マネジメントがうまくいかなければ、手術はできない」といわれてしまい、血糖マネジメントのために入院することになりました。

 

Aさんは手術への強い思いから、エネルギー制限のある食事や不慣れな運動療法にも取り組み、血糖値は順調に改善していきました。「このままいけば、手術も夢じゃない」と、希望が見え始めたときのことです。

 

 

左の小指の小さな潰瘍

 

サンダルのような靴を履いていることが多いAさん。なんとなく足が気になってフットチェックを行うと、左の小指に小さな潰瘍があったのです。その小さな潰瘍からは排膿があり、さらに触れても何も感じないようで、感覚が失われていました。すでに感覚異常を起こしていたために痛みがなく、自分では傷に気付くことができなかったのです。さらに詳しく調べると、炎症は骨にまで

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