連載

2026.02

【第8回】診療看護師が支える糖尿病管理の道しるべ

孤立を防ぎ地域と再びつながる支援

糖尿病の治療では、血糖値を整えるだけではなく、こころの支えを見つけることも大切です。患者さんが人とのつながりを失い、一人で抱え込んでしまうときこそ、そっと寄り添い、再び前を向く力をともに見つけたいと思っています。今回は、そんな「こころの回復と再び社会とつながるきっかけ」ができるように支えたAさんをご紹介します。

 

 

孤立はこころの活力と治療への意欲を奪う

 

 

仕事を引退してから家族との離別を経験し、心身の元気を失ってしまったAさん。糖尿病があるために通院は欠かさず続けていましたが、診察室では表情が乏しく、「生きていても意味がない」と、小さな声で涙ながらに口にされることもありました。

 

わたしは医療的な支援だけではなく、診察の合間に日々の出来事やこころの内を少しずつ伺うようにしました。最初は短い返事しかありませんでしたが、次第に表情が和らぎ、「話すと気持ちが軽くなる」と笑顔が見られるようになりました。やがて希死念慮は消え、お会いするたびに穏やかな会話ができるようになりました。</

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