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2024.10

「人食いバクテリア」の感染に注意しましょう

はじめに

 

「人食いバクテリア」は、医学用語で「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」と呼ばれる病状を指します。近年、患者さんの数が増加傾向にあることや、死亡率が高いことが報告されています。

 

世界的にみても新型コロナウイルス感染症(COVID−19)の対策が緩和された2022年末に「複数国における猩紅(しょうこう)熱と侵襲性A群溶血性レンサ球菌感染症の増加」とするレポートが公表されています(1)。

 

特に23~24年にかけて日本国内で劇症型溶血性レンサ球菌感染症の患者さんの数は過去最高(2)となっています。24年6月上旬の段階で、1999年に統計を取り始めて以降、最多であった23年の報告数を超えていることは、多くの報道によりよく知られています。

 

糖尿病のある人はさまざまな原因で感染症に対する注意が必要ですので、「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」について糖尿病との関連を中心に解説します。

 

 

劇症型溶血性レンサ球菌感染症とは?

 

劇症型溶血性レンサ球菌感染症は、「β(ベータ)溶血を示すレンサ球菌を原因

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