特別企画1

2024.10

低血糖の恐怖(低血糖恐怖症)とは何でしょう。

皆さんは低血糖で怖い思いをしたことがありますか? 低血糖は不快な症状をもたらすだけではなく、時には生命を脅かすこともあります。普段どんなにしっかり血糖管理を行っていても、低血糖のリスクを完全に取り除くことは困難です。そして、ひとたび低血糖が起こって人の助けが必要になったり、意識を失ったりしたときには、ひどく恥ずかしく情けない気持ちになる方も多いでしょう。低血糖のトラウマ(心的外傷)が大きいと、その後の生活や治療に影響が出ることもあり、そのような状態を「低血糖の恐怖(FoH:Fear of Hypoglycemia)」あるいは「低血糖恐怖症(Hypoglycemia-phobia)」と呼びます。

 

FoHは、インスリン治療を行っている1型・2型糖尿病のある人に広く見られる症状です。今回はFoHとは何か、そしてそれが糖尿病のある人にどのような影響を及ぼすのかについて解説します。

 

低血糖とは

 

はじめに低血糖(症)のおさらいをしておきましょう。低血糖とは、血糖値が正常範囲よりも低くなる状態(血糖値が70㎎/dL未満)を指します。糖尿病治療の一環として、インスリンや一部の血糖降下薬を使用している場合に起こりやすい急性合併症の一つです。

 

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