特別企画2

2025.03

インスリン注射とインスリンボール

はじめに

 

「インスリンボール」は、「インスリン由来アミロイドーシス」とも呼ばれ、インスリンを同一部位に繰り返し注射することで、繊維状のたんぱく質であるアミロイドが沈着して生じるしこりです。インスリン注射に関係するしこりとして、他には皮下の脂肪組織が肥大して生じる、「リポハイパートロフィー」もあります。インスリンボールは、このリポハイパートロフィーよりもインスリンの吸収障害が顕著です。せっかくインスリンを注射しても、インスリンボール部分に打つと血糖値が下がらず、インスリンの使用量が増えていくことがあります。その影響で医療費も余計にかかってしまうなど、糖尿病治療の妨げになることがあります。

 

本稿では、インスリン注射の効果をしっかりと発揮するために、どのようにしたらよいかを、インスリンボールとの関係から考えていきます。

 

 

インスリン注射に適した部位

 

突然ですが、インスリン注射している方にインスリン注射部位に関する質問です。

 

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