特別企画2

2025.05

新たな週1回インスリンの登場

はじめに

 

糖尿病は持続的な高血糖を特徴とする疾患です。最も一般的な2型糖尿病では、高血糖は主にインスリン抵抗性(血糖値を下げる唯一のホルモンであるインスリンが効きにくい状態)と膵(すい)臓のβ(ベータ)細胞機能の低下によって引き起こされます。そして、インスリン抵抗性と膵臓のβ細胞の機能低下のバランスは体質に大きく依存し、個々の症例により異なります。

 

2型糖尿病の治療目標達成のためには、細小血管障害(神経障害、網膜症、腎症)と動脈硬化性疾患(脳梗塞、心筋梗塞など)の発症を予防して、進展を抑制することが重要です。これまでのさまざまな臨床研究の結果から、糖尿病を初めて診断された早期から、血糖値の異常を含めた種々の血管合併症の危険因子をきっちりマネジメントすると、糖尿病合併症の発症や進展が抑制されることが示されています。

 

現在、血糖マネジメントのためには、健康的な生活習慣を維持することを第一とし、必要に応じて薬物療法を併用することが重要と考えられています。治療薬としては、メトホルミン(ビグアナイド薬)、GLP−1受容体作動薬、α(アルファ)−グルコシダーゼ阻害薬

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