特別企画

2025.10

ポリファーマシーについて

はじめに

 

糖尿病がある方や高齢者は、複数の疾患を同時に抱える多疾患となる場合が多く、多剤服用(多くの薬を同時に服用)による治療管理が行われるケースが少なくありません。こうした中で問題視されているのが「ポリファーマシー(polypharmacy)」です。

 

ポリファーマシーとは、多剤服用によって有害事象を起こす状態を指します。厚生労働省の「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」(1)では、「単に服用する薬剤数が多いことではなく、それに関連して薬物有害事象のリスク増加、服薬過誤、服薬アドヒアランス*1低下等の問題につながる状態」と定義しています。これは、多剤服用だけを問題にしているのではなく、それによって患者さんに不利益な状況をもたらす可能性が高まるという、ポリファーマシーの本質を示しています。

 

*1 正しい薬剤を、正しい量で、正し

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