特別企画

2025.11

冬の皮膚トラブルと糖尿病

はじめに

 

夏が終わり秋風が吹き始める頃になると、肌の乾燥を感じる人が多いですが、カサカサしたり、ひび割れや湿疹ができたり、強いかゆみを感じたりと、この季節特有の皮膚トラブルも起こりやすくなります。気温や湿度の低下で皮膚の水分が失われやすくなり、バリア機能が弱まるため、外部刺激に敏感になってかゆみなどが出やすくなるのです。また、皮膚炎や感染症のリスクも高まります。

 

特に糖尿病のある方にとって、皮膚の乾燥は単なる不快感にとどまらない深刻な問題となることがあります。糖尿病の三大合併症である神経障害・網膜症・腎症は広く知られていますが、皮膚の合併症も多くの方が直面する課題です。乾燥が進行すると重篤な感染症や、最悪の場合には下肢切断につながるリスクさえあります。

 

本稿では、糖尿病と皮膚の乾燥との密接な関わり、その背景にある体の変化、さらに具体的な予防・対策について、専門的かつ実践的な視点から詳しく解説します。

 

 

糖尿病と皮膚の乾燥のメカニズム

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