特集2

2024.12

糖尿病の発症を遺伝情報からひも解く

ことわざにみる遺伝(体質)と環境

 

早速ですが、次に挙げる二つのグループに分けたことわざをご覧ください。

 

第一グループは「カエルの子はカエル」「瓜(うり)のつるに茄子(なすび)はならぬ」。

 

第二グループは「朱に交われば赤くなる」「麻の中のヨモギ」「氏より育ち」。この二つの違いは何でしょう。

 

実はわたしたちは、人間のさまざまな特徴について「生まれつき(遺伝)」と「環境」の両者の影響が大きいことを知っています。第一グループ、第二グループのことわざはそれぞれに該当し、場面に応じて、これらのことわざを巧みに使い分けているのです(なお、例外として「トンビがタカを生む」などもあります)。そして、これらを総合して、一人一人はみな異なる、という事実を「十人十色」ということわざでまとめています。

 

病気のなりやすさについても同様に、「生まれつき(体質)」と「環境」の両方の影響があり、この場合は「遺伝因子」「環境因子」と呼ばれます。糖尿病の場合、「環境因子」は、食事、運動

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