自然災害のリスクがある中、 防災の重要性は高まっています。 特に、糖尿病を抱える方にとっては、 災害時に治療に必要な薬や生活環境などが 確保されにくくなる可能性があるため、 事前の準備が欠かせません。 佐藤伸輔先生に解説していただきました。

佐藤 伸輔

さとう しんすけ

東北医科薬科大学病院 薬剤部 薬剤師長 一般社団法人 日本くすりと糖尿病学会 災害対応部 会長

この記事の内容

はじめに

防災の日の目的

９月１日は「防災の日」です。この日は、1923年に関東大震災が発生した日であると同時に、暦の上では「二百十日」に当たります。この頃からが台風シーズンの始まりでもあり、59年９月26日に発生した伊勢湾台風では、戦後最大の被害がもたらされました。これらを契機に、地震や風水害などに対する心構えの育成に向けて、60年に「防災の日」が創設されました（１）。また、９月は防災意識を高めるために、「防災月間」と定められています。

災害に備える心構え

皆さんは、災害時にどのような対応を取ったらよいのか常に考えていますか？　自然災害は、いつ起こるか分かりません。本稿を読んでいる最中に発生する可能性もあるため、平時からどのように対応するかを考えておく必要があります。

例えば、災

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