連載

2025.07

【第11回】カフェから見える風景

あなたのためにわたしはここにいます

こんにちは。IDDM Caffeです。

 

本連載第7回で、患者さまと自分との境界線がなくなり、看護師という職業を退いた話をしましたが、今回はその先がなぜカフェであったのかをお話ししようと思います。

 

まだ看護師をしていた頃、SNS(※)である投稿が目に入りました。それは1型糖尿病で強化インスリン療法中の若い女の子が、かわいいスイーツの写真と共に「これを8単位打って食べた」という内容のもので、どこかのカフェのようでした。すると、その投稿に「そんなもの食べるから糖尿病になるんだ」という心無いコメントが付けられました。直接的でリアルなスティグマ(負の烙印〈らくいん〉)です。

 

もちろん、投稿した本人が一番傷ついていると思いますが、わたしは「ああ、このコメントを読んだ投稿者のフォロワーの多くの方が、『結局こんなふうに見られるんだ』と思ってしまったのではないかな」と、強くその状況に危機感を持ったのです。インスリンを打っていることを悟られたくないから、なんとなく外食を控える。友達に遊びに誘われたけど、(何も思っていないのに)何か思われているんじゃないかと誘いに乗るこ

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