連載

2025.08

【第1回】いつまでも健口生活

●歯周病と糖尿病の関係

はじめに

 

本連載では何度か歯周病を取り上げていますが、それは糖尿病と歯周病に罹患(りかん)している方の健康維持にとって、この関連は大変重要だということです。まずは、両疾患の関連性について解説します。

 

 

歯周病とは

 

歯周病は、口腔(こうくう)内にいる細菌の集合体であるプラーク(デンタルバイオフィルム)の量が増加して構成細菌の変化(dysbiosis : ディスバイオーシス)が起こり、歯周病原細菌が増え、歯肉に炎症が生じて歯周ポケット(歯と歯茎の隙間)が形成されて発症します。歯周ポケットの一部では潰瘍が形成され、歯周病原細菌は、この潰瘍面から歯周組織に侵入します。また、病変部で産生された炎症性サイトカインや活性化された免疫細胞などは血流にのって全身へ移行します。

 

すなわち、歯周病という局所の軽微な慢性炎症がさまざまな臓器に影響を及ぼし得ると考えられます。このような歯周病と全身との関連性を追求する学問領域は、ペリオドンタルメディシン(periodo

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