特別企画1

2025.02

メタボリックシンドロームにおけるURAT1阻害薬

はじめに

 

年末年始のさまざまな行事を楽しむ中で、おせち料理やお酒などには、尿酸値を上げやすい食品が多く含まれており、最近の血液データで異常を指摘された方も多いのではないでしょうか。高尿酸血症は痛風の原因としてよく知られていますが、実はそれだけでなく、肥満や高血圧、糖尿病や脂質異常症といった、いわゆるメタボリックシンドローム(以下、メタボ)の病態に密接に関わっていることが注目されています。

 

メタボの病態に尿酸がどのように関わっているのか、本稿では、特に尿酸再吸収トランスポーターの一つであるurate transporter 1(URAT1)に焦点を当て、われわれの最近の研究データを基に概説します。

 

 

生体内における尿酸動態

 

ヒトの生体内における尿酸の産生ならびに排泄(はいせつ)のバランス制御をページ図1に示します。ヒトの体内には、男性で約1200㎎、女性で約600㎎の尿酸がプールされています。生体内でのさま

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