特集2

2025.02

腸活にもよい温泉入浴

はじめに

 

はじめまして、九州大学都市研究センターの武田美都里と申します。2020年に京都大学医学研究科で博士号を取得し、21年から九州大学都市研究センター(センター長:馬奈木俊介教授)で温泉の健康効果に関する研究を行っています。特に、温泉入浴が腸内細菌叢(腸内フローラ)や皆さんの健康にどのように影響するかについて調べています。温泉入浴も腸内細菌も、糖尿病ととても関わりが深いです。本稿ではわたしたちの取り組みを紹介しながら、温泉入浴が腸活、そして糖尿病マネジメントに有用となる可能性について解説します。

 

 

温泉とその作用

 

温泉は、自然の恵みとして古くから健康促進やリラクゼーションに活用されてきました。温泉の中でも、特に療養に役立つ泉質を持つ温泉は「療養泉」と呼ばれており、日本では環境省によって10種類に分類されています。泉質を問わず療養泉に共通の「一般的適応症(効果を表す症状)」には、慢性的な痛みや喘息(ぜんそく)などに加え、糖尿病の症状も含まれています(図1)

関連記事