特集1

2026.03

糖尿病のある人が 転びやすい理由と、その予防法 ー糖尿病と転倒の意外な関係

転倒は、健康寿命を左右する重大なリスク

 

 

皆さんは、「転倒」というとどんな場面を思い浮かべるでしょうか。ちょっとした段差につまずく、雨の日に足を滑らせる──こうした転倒は誰にでも起こり得ますが、特に、高齢者の場合、転倒がその後の生活に大きな影響を及ぼすことがあります。骨折や頭部のけが、それによる入院、さらには介護が必要になることも少なくありません。

 

転倒とは「本人の意思に反して、立っている姿勢や座っている姿勢から、足裏以外の体の一部である手や膝、お尻などが地面や床に接触した状態」と定義されます。日本では、65歳以上の転倒・転落による死亡者数が、交通事故の4倍以上にもなるといわれています(1)。また、転倒による大腿骨頸部(だいたいこつけいぶ)骨折で入院した高齢者での検討では、骨折につながる転倒前の1年で平均1.77回の転倒を経験し、そのうち22%は3回以上の転倒を経験していたという報告もあります(2)。さらに、厚生労働省の「国民生活基礎調査」(2022年)によれば、要介護状態となる主な原因の第4位

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