連載

2024.11

【第11回】こ・ま・ぎ・れ運動の勧め

朝昼夕の「小分け散歩」に出掛けよう

じっとしていると肥満・糖尿病の発症リスクが高い

 

テレビ視聴や読書など、じっとしている時間が長くなると、肥満や糖尿病などの発症リスクが高くなることが分かってきました。約5万人の女性を6年間観察した調査によると、テレビの視聴時間が1日当たり2時間以上の方は、肥満の発症リスクが23%、糖尿病の発症リスクが14%高くなることが確認されました。また、1日の歩数を2000歩未満にして身体活動に制限を設けた状態で体の糖の処理能力を調べた研究では、わずか2週間で約20%も処理能力が低下しました。その要因としては、下肢の筋肉の萎縮やスタミナの低下などが挙げられています(図1)。したがって、健康を維持するためには、定期的な活動を確保して、動かない生活から脱却することが大切です。

 

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、65歳以上の高齢者に対して1日6000歩の身体活動を推奨しています。同省が高齢者の歩数を調査した「国民健康・栄養調査」では、1日6000歩以上歩いている割合は、65〜74歳の男性で約45%、女性で38%、75〜84歳の男性で32%、女性で22%と加齢とともに少なくなっています(図2)。

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