連載

2026.04

【第20回】カフェから見える風景

何のために注射をしなければならないの?

こんにちは。IDDM Caffeです。

 

今回は、発症間もない頃から何度か来店してくれていたお子さんから、質問を受けたときの話をしたいと思います。

 

もう数年前のことになりますが、お子さんがお母さまと一緒に来店され、お母さまがニコニコしながら「あ、そうだ。アレンさん(わたしの愛称)に聞きたいことがあったんでしょう?」と、お子さんに言いました。

わたしはどんなかわいい質問だろうと身を乗り出して「何? 何?」と聞きました。返ってきたのは「どうして注射をしなければならないの?」という言葉でした。わたしは笑顔を保ちながらも、胸の奥では心臓をぐっと握られたような痛みを感じていました。

 

以前、お客さまと似たような会話をしたことがありました。どんな会話だったのか具体的には思い出せないけれど、IDDMの先輩たちから答えを聞き、納得したことだけは覚えていました。「あぁ、あの時、先輩は何て言っていただろう」とか、「何が正解なのか」とか、いろいろな考えが一瞬にして頭を駆け巡りました。お母さまの発言から想像すると、これまでにも同じ質問がお母さまに向けられ、そのときはあえて答えず、わたし

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