特別企画2

2025.07

西太平洋地区のダイアベティス対策の現状と課題

西太平洋地区のダイアベティスの現状

 

西太平洋地区(Western Pacific Region:WPR)は、ダイアベティスの予防、ケアの質向上をめざして政策提言やアドボカシー活動を推進する国際団体のIDF(International Diabetes Federation)が、世界を七つの地区に区分したうちの一つです。日本や中国、韓国、台湾、香港に加え、インドネシアやシンガポール、オーストラリア、フィリピン、パプアニューギニア、その他多くの太平洋諸島を含めた全部で37の国と地域から構成されています。この西太平洋地区には、世界のダイアベティスをもつ成人の37%が暮らしており、ダイアベティスの有病率(人口に対するダイアベティスをもつ人の割合)は12.4%と、世界で3番目に高い水準となっています。IDFによると、西太平洋地区のダイアベティスをもつ人の数は今後も増え続け、2050年には現在より18%増加して、2億5380万人に達すると見込まれています(図1)(1)。また、有病率も同様に上昇し、50年に14.7%に達すると予測されています。

 

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