特集2

2026.08

糖尿病合併症とかかわりの深いメカニズム

はじめに

 

 

糖尿病が厄介な病気である理由にはいろいろありますが、その一つとして糖尿病によって引き起こされる障害、つまり合併症の存在があります。糖尿病はインスリンの作用が不足することによって生じる病気であり、高血糖はその症状の一つです。

 

糖尿病合併症はこの高血糖によって引き起こされると考えられがちですが、そうでないものもあります。例えば、糖尿病合併症の中でも急性合併症に分類されるケトアシドーシスは、高血糖が原因ではありません。ケトアシドーシスは脂肪細胞や脂質代謝に対するインスリン作用の欠如が原因になっています。

 

一方、慢性合併症である網膜症や腎症、末梢(まっしょう)神経障害といった細小血管合併症は高血糖が原因と考えられ、血糖値が持続的に高ければ高いほど起こりやすい合併症であることが知られています。また、同じ慢性合併症でも、動脈硬化が関係する心筋梗塞や脳卒中などの大血管合併症では、持続的な高血糖以外に食後の一過性の急峻(きゅうしゅん)な血糖変動(グルコーススパイク)が大きなリスクになっています

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