特別企画

2024.08

糖尿病網膜症と血管新生緑内障

はじめに

 

糖尿病の治療で内科に通院中の患者さんの中で、どれだけの方々が眼科医の診察を受けていただいているでしょうか。また、眼科受診の重要性をどこまでご理解いただけているでしょうか。糖尿病は眼に関するさまざまな合併症を引き起こすことがあります。その中でも、糖尿病三大合併症の一つである糖尿病網膜症は特に重要です。なぜなら知らぬ間に進行し、自覚症状が出現する頃には手遅れというケースも少なくなく、日本の中途失明原因の上位を占める病気だからです。また、糖尿病網膜症の治療が十分でないと、眼科医泣かせの難治緑内障の代表である血管新生緑内障を引き起こします。

 

ここでは、糖尿病と糖尿病網膜症について、そして糖尿病網膜症が引き起こす血管新生緑内障とその治療法についても、最新の手術や成績を含めてご紹介します。

 

 

糖尿病眼合併症

 

眼球は直径約24ミリの小さな器官ですが、その役割は重要です。わたしたちの日常生活は80%以上が視覚情報に依存しているといわれており、視覚の障害またはその喪失は日常生活に大きな支障を来します。そのため、糖尿病合併症の中でも眼合併症は

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